AX診断 提案書サンプル — 会議と議事録(業種を問わないオフィス業務)
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架空の企業を想定したサンプルです。実在の企業とは関係ありません。

株式会社まつかぜ企画様 業務フロー分析・AI社員配属提案書

サンプル(架空企業)。展示会のAX診断でお聞きした内容(業種・規模・使っているシステム・仕事の入口・困りごと・情報の置き場所・特定の人に頼っている業務・手順の文書化)から、この形式の提案書を作成します。2〜6章の現状の記述は、同業種・同規模・同じシステム構成の企業で最も多い姿の推定です。

目次

  1. 企業概要・システム全体像
  2. 人手が支えている箇所の一覧
  3. As-Is: 会議・決定事項ワークフロー
  4. As-Is: 依頼受付・情報探索ワークフロー
  5. As-Is: 業務知識の所在と属人性
  6. As-Is: AI社員を受け入れる土台の現状
  7. To-Be: 会議・決定事項ワークフロー(AI社員配属後)
  8. To-Be: 依頼受付・情報探索ワークフロー(AI社員配属後)
  9. システム構成(To-Be)
  10. 導入ステップ
  11. セキュリティ設計
  12. 提供体制
  13. 御社版の作成にあたって 付録A. 実装項目 付録B. 試用期間(PoC)の検証計画

1. 企業概要・システム全体像

項目内容
社名株式会社まつかぜ企画(架空)
事業企画・制作の受託業務(業種の区分は「その他」)
従業員数約80名
拠点本社+営業所2拠点
組織営業部 / 管理部(総務・経理) / 制作部(最多人数)
案件管理kintone
タスク管理Backlog
議事録・社内手順書Notion
会計freee会計
勤怠KING OF TIME
グループウェアMicrosoft 365(Teams・Outlook)
ファイル共有SharePoint(現行資料)、社内ファイルサーバ(NAS。旧資料が残る)
販売管理・基幹システム言及なし(診断セッションで確認)
仕事の入口顧客からのメール / 社内のTeamsダイレクトメッセージ / 電話 / 営業所からのFAX
議事録の担当管理部総務1名(部署別の週次定例と案件打ち合わせ)

現行システム構成図

情報の置き場所を、システムとシステム外(紙・記憶・個人の手控え)まで含めて描きます。

flowchart TD
  mail["Outlook<br>(顧客からの依頼・資料の添付)"] --> tanto["各部署の担当者"]
  teams["Teams<br>(社内の依頼・DM)"] --> tanto
  denwa["電話<br>(社内・営業所からの依頼)"] -->|"口頭"| tanto
  fax["FAX複合機<br>(営業所からの依頼)"] -->|"紙"| tanto
  tanto -->|"案件の登録・更新"| kintone["kintone<br>(案件管理)"]
  tanto -->|"起票(起票されない宿題もある)"| backlog["Backlog<br>(タスク管理)"]
  soumu["管理部総務1名<br>(議事録の作成)"] -->|"手入力"| notion["Notion<br>(議事録・社内手順書。<br>手順書がある業務は半々)"]
  kaigi["定例・案件打ち合わせ<br>(決定と宿題は口頭で確定)"] --> soumu
  sp["SharePoint<br>(現行資料。最新版の判別は<br>メール添付との見比べ)"] --- tanto
  nas["社内ファイルサーバ<br>(旧資料。過去帳票・古い版)"] --- tanto
  memo["個人の手控え・記憶<br>(決定の経緯、人と取引先の呼び名、<br>過去に返した回答)"] --- tanto
  freee["freee会計<br>(経費・請求)"] --- kanri["管理部(経理)"]
  kot["KING OF TIME<br>(勤怠)"] --- kanri

2. 人手が支えている箇所の一覧

御社の業務は、システムとシステムの間を担当の方々が人手でつなぐことで、毎日回っています。この章では、その人手が支えている箇所を一覧にします。支えている箇所には負担が集中しやすく、担当の方の不在や繁忙期に綻びやすいためです。展示会で伺った内容と、業種×規模×システム構成からの推定を並べ、出所の列で区別します。推定の行は「同じ構成の企業で最も多い姿」であり、御社に当てはまるかの確定は診断セッションで行います。

業務の場面いま人手で支えていること起きやすい負担・リスク出所
定例・案件会議会議で決まったことを記録に残すこと(残らないまま流れる回がある)次の会議が決定の確認から始まり、同じ論点を二度話すことになりやすい伺った内容
議事録の作成決定と検討中の案の区別を、書き手の書き方に委ねていること読み手が判断できず、確認の問い合わせが書き手に集まる伺った内容
宿題の起票口頭で決まった担当と期限をBacklogへ移すこと起票が漏れた宿題は期限の直前まで見えず、駆け込み対応になりやすい伺った内容
依頼の受付メール・TeamsのDM・電話・FAXの4経路を人が巡回して拾うこと経路ごとに見落としが生まれ、着手の遅れが特定の方に集中する伺った内容
資料の参照SharePointとメール添付のどちらが最新版かの判断古い版のまま検討が進み、やり直しが発生することがある伺った内容
人・取引先の特定メールの表示名・Teamsの名前・社内の呼び名の突き合わせ誰の案件かの判断に手間取り、共有や転送の宛先違いが起きやすい伺った内容
問い合わせへの回答過去の類似回答を思い出し、メールを遡って探すこと見つからないと一から書き直しになり、回答の水準が人によって揃いにくい伺った内容
会議の準備前回の決定と関連資料を集めること準備が会議直前に集中し、担当の方の予定を圧迫する伺った内容
手順の参照Notionに手順書のない業務を、担当の方の記憶で補うこと引き継ぎや不在時に、口頭説明が毎回必要になる伺った内容
旧資料の探索SharePointと社内ファイルサーバの二か所を人が使い分けること探索が二度手間になり、旧側に残った版が正として使われることがある推定
案件情報の対応づけkintoneの案件・Backlogの課題・Notionの議事録の紐付けを頭の中で保つこと案件の全体像を追える方が限られ、引き継ぎ時に説明の手間がかかる推定
営業所との連絡FAXで届いた依頼を本社側で読み取って入力し直すこと紙のまま滞留すると、営業所側から進行状況が見えない推定
月次の経費・請求案件の実績とfreee会計の内容を担当者が突き合わせること締め前に確認が集中し、差異が出ると過去のやりとりを遡ることになる推定
勤怠の締めKING OF TIMEの打刻漏れの声かけと修正依頼締め日前後に総務の作業が集中する推定

一覧を眺めると、人手が支えているのは、個々のシステムの中ではなく、システムとシステムの間、またはシステムと記憶の間です。支え方の型は3つに集約されます。紙と口頭で届く依頼や決定を人が読み取って入力していること、判断に使う知識(決定と検討中の線引き、人と取引先の呼び名、過去に返した回答)が記憶と手控えにあること、システム間の照合(SharePointとメール添付、kintoneとBacklogとNotion)を人がまとめて行っていることです。これは担当の方々の工夫で業務が成立している姿であり、同時に、その方々に負担が集中する構造でもあります。

診断セッションで確認する点

3. As-Is: 会議・決定事項ワークフロー

部署別の週次定例が3本、加えて案件ごとの打ち合わせがあり、記録の対象となる会議は週あたり10本前後と推定します。議事録は管理部総務1名が中心となって作成し、案件打ち合わせでは参加者の誰かが書く形が混在すると推定します。

ヒアリングでは「書く人によって粒度がぜんぜん違って。決まったことなのか、まだ検討中なのかが読んでて分からない」とのことでした。

3-1. 会議の1サイクル

場面工程担当備考
会議前前回の決定の確認、関連資料の収集主催者・総務Notionの議事録、メール、SharePoint、旧ファイルサーバを横断して探す
会議前資料の最新版の確認参加者SharePointの版とメール添付の版を見比べる
会議中議論と決定、宿題の口頭合意参加者「じゃあ来週までに」で確定し、その場では記録に落ちない
会議中メモの作成総務または参加者の一人案件打ち合わせでは書き手が固定されない
会議後Notionへの議事録の起こし総務決定と検討中の区別の書き方は書き手ごと
会議後宿題のBacklogへの起票担当者本人起票されない宿題が残る
次回会議前回の決定の再確認参加者記録がない論点は口頭で思い出しながら確認する

3-2. 決定事項と宿題の流れ

flowchart TD
  kaigi["会議での議論"] --> kettei["決定・宿題の口頭合意"]
  kettei --> memo["メモの作成<br>(総務または参加者の一人)"]
  memo -->|"書き起こす"| notion["Notionの議事録"]
  memo -->|"書き起こされない回"| kioku["記憶と個人の手控えに残る"]
  notion --> yomite["読み手が参照"]
  yomite -->|"決定か検討中か判別できない"| toiawase["書き手へ口頭で確認"]
  toiawase --> soumu["総務が経緯を説明<br>(不在時は保留)"]
  kettei --> shukudai["宿題(担当・期限)"]
  shukudai -->|"起票された分"| backlog["Backlogの課題"]
  shukudai -->|"起票されない分"| omoidashi["期限直前に思い出して着手"]
  kioku --> jikai["次回会議で再確認"]
  omoidashi --> jikai

3-3. 診断セッションで確認する点

4. As-Is: 依頼受付・情報探索ワークフロー

依頼は顧客からのメール、社内のTeamsダイレクトメッセージ、電話、営業所からのFAXの4経路で届きます。経路ごとに窓口が分かれておらず、受けた方がそのまま抱える形が多いと推定します。

4-1. 依頼が届いてから着手までの流れ

場面工程担当備考
Outlookの未読とTeamsのDMの確認各担当者経路ごとに順に見て回る
随時電話での依頼の受領各担当者手控えにメモ。記録は本人の手元のみ
随時営業所からのFAXの回収本社の担当者紙のまま。内容を読み取って社内に共有
随時依頼内容の案件への紐付け各担当者kintoneの案件、Backlogの課題との対応づけは頭の中
随時過去の類似依頼の回答の探索各担当者Notion、メール、SharePointを順に探す
随時見つからない場合の作成各担当者一から書き直すため、回答の水準が人によって揃いにくい
随時誰の話かの特定各担当者メール表示名・Teams名・社内の呼び名の突き合わせ
週内Backlogへの起票と着手各担当者起票されないまま進む依頼が残る

4-2. 情報探索のデータフロー

flowchart LR
  irai["依頼の受領<br>(メール・DM・電話・FAX)"] --> tokutei["誰の・どの案件の話かの特定"]
  tokutei -->|"名前の突き合わせ"| namae["メール表示名 / Teams名 /<br>社内の呼び名 / 取引先の部署名"]
  tokutei --> kensaku["過去の類似回答の探索"]
  kensaku --> notion["Notion<br>(議事録・手順書)"]
  kensaku --> outlook["Outlookのメール履歴"]
  kensaku --> sp["SharePoint"]
  kensaku --> nas["社内ファイルサーバ(旧資料)"]
  notion --> handan["最新版・正しい回答の判断"]
  outlook --> handan
  sp --> handan
  nas --> handan
  handan -->|"見つかる"| ryuyo["流用して回答"]
  handan -->|"見つからない"| shinki["一から作成"]
  ryuyo --> kihyo["Backlogへ起票して着手"]
  shinki --> kihyo

4-3. 診断セッションで確認する点

5. As-Is: 業務知識の所在と属人性

会議の運営と依頼の処理を成立させている知識の置き場所を整理します。

業務知識現在の置き場所参照する場面
決定に至った経緯と、決定・検討中の線引き管理部総務1名の記憶、Notionの議事録(粒度は書き手ごと)会議前の確認、決定の再確認、顧客への説明
過去の会議での宿題の顛末記憶、Backlogの一部の課題、個人の手控え進行確認、次回会議の準備
人と取引先の呼び名の対応(表示名・Teams名・社内の呼称・部署名)各担当者の記憶依頼を受けるたび、共有先を決めるたび
過去の類似問い合わせに返した回答Outlookのメール履歴、担当者の記憶問い合わせ対応のたび
資料のどれが最新版か担当者の記憶(SharePointとメール添付の見比べ)会議前、資料の送付前
手順書に載っていない業務の進め方担当者の記憶(Notionの手順書は対象業務が半々)引き継ぎ、不在時の代行
案件とタスクと議事録の対応関係担当者の頭の中(kintone・Backlog・Notionにまたがる)進行確認、引き継ぎ

属人性は、担当者が抜けたときに何が止まるかを並べると、そのまま見えてきます。止まるものの一覧は、文書に起こすべき知識の目次でもあります。

抜けると止まる・遅れる業務支えている知識現在の担い手
定例の議事録の作成会議の文脈、決定と検討中の線引き、参加者の言い回し管理部総務1名
過去の決定の経緯の説明いつどの会議で何がどう決まったか同上
過去のやりとりの掘り起こしどのメールスレッドに残っているかの見当同上
過去の類似回答の再利用誰が何を返したかの記憶各部署の担当者
依頼の取りこぼしの防止4経路のどこを見れば足りるかの巡回の癖各部署の担当者
資料の最新版の判断版の履歴と経緯案件担当者

6. As-Is: AI社員を受け入れる土台の現状

2〜5章は業務の流れと知識の姿でした。この章は、AI社員を配属するために必要な土台が現時点でどこまで揃っているか、いわばAI ready度を整理します。まず全体を一覧で示し、システム別の接続の詳細と、◯に変わるまでの道のりを続けます。判定はシステム構成からの推定で、確定は診断セッションで行います。判定の根拠を埋める作業は、付録Aの実装項目に対応づけています。

判定は4値です。◯ 足りている / △ 一部足りている・版による / ✕ これから整える / ? 診断セッションで確認。

観点判定根拠
業務知識が文書になっているかNotionに手順書があるが対象業務は半々。議事録は存在するが粒度が書き手ごと(問診の文書化・困りごと2)
どれを正とするかが決まっているか資料の最新版がSharePointとメール添付で判別できず、議事録上でも決定と検討中が区別されていない
取引先・人・案件を指すIDの軸が揃っているか同一人物がメール表示名・Teams名・社内の呼び名で異なり、取引先は部署名で呼ぶ場合がある。案件はkintoneに軸があるが、Backlogの課題・Notionの議事録との紐付けは人が保持
AIに渡す範囲を区切る権限の土台Microsoft 365・SharePointの権限管理は運用中。社内ファイルサーバの共有範囲は診断セッションで確認
仕事の入口がデータで届くかメールとTeamsはデータで届く。電話は口頭、営業所からのFAXは紙のまま
使っているシステムへの接続Microsoft 365・kintone・SharePoint・freee会計・KING OF TIMEは公式APIあり。Notion・Backlogは診断セッションで確認(6-1)
会議の内容がデータで取得できるか?Teams会議の録音・文字起こしの利用状況と社内の合意について材料がない
承認者・役割を決められるか?情シスの体制、議事録と決定の承認者について材料がない。診断セッションで確認

✕と△が並びますが、いずれも第一・第二工程で埋まる種類のもので、どの工程で◯に変わるかは6-2に対応表があります。

6-1. 接続手段

接続のしやすさの列は、当社カタログの一般情報(◎ 公式APIが充実 / ○ APIあり / △ 版・契約による / ✕ 手作業前提)で、確定は導入時に版・契約を確認して行います。

項目接続のしやすさ現状(推定)配属に足りているか足りない場合に埋める作業
Microsoft 365(Teams・Outlook)◎ 公式API(Graph)が充実依頼の受付と報告の経路として機能足りている
kintone◎ 公式APIが充実案件情報の軸として機能足りている
SharePoint◎ 公式API(Graph)が充実現行資料の置き場所。正の明文化はこれから一部不足どれを正とするかの明文化(付録A C-04)
社内ファイルサーバ(NAS含む)○ ネットワーク経由で直接読める(参照範囲の整理が前提)旧資料が残る。共有の区切りは未確認一部不足参照範囲の確定と共有の棚卸し(付録A C-04)
freee会計◎ 公式APIが充実経費・請求の記録先足りている
KING OF TIME◎ 公式APIあり勤怠の記録先足りている
Notion? 診断セッションで確認議事録・手順書の中心。プランと権限設定の確認が必要確認が必要プラン・権限を確認して接続方式を当社から提示(付録A C-02)
Backlog? 診断セッションで確認宿題・タスクの起票先。契約形態の確認が必要確認が必要同上
電話✕ 口頭のまま依頼が口頭で届き、記録は個人の手控え一部不足通話メモの運用、または依頼の入口をメール・Teamsへ寄せる相談(付録A C-03)
FAX(営業所からの依頼)✕ 紙のまま紙で回収し、本社側で読み取る不足複合機のPDF転送設定またはクラウドFAX(付録A C-01)
会議の音声・文字起こし? 診断セッションで確認取得の有無と社内の合意が未確認確認が必要取得方法と対象会議の範囲の取り決め(付録A C-05)

6-2. AI readyまでの道のり

冒頭の一覧で✕と△が付いた観点は、10章の導入ステップの中で次の順に◯へ変わります。

工程◯に変わる観点具体
第一工程システムへの接続 / 権限の土台 / 仕事の入口 / IDの軸Microsoft 365・kintone・SharePoint・ファイルサーバ・Notion・Backlogに窓口を接続する。参照範囲を確定し、共有を棚卸しする。FAXのPDF化と電話メモの運用で入口をデータにする。人・取引先・案件の名寄せ辞書を作り、kintoneの案件番号を軸に議事録と課題を紐付ける
第二工程どれを正とするか / 業務知識の文書化資料はSharePointを正とする形を明文化し、旧ファイルサーバは参照のみとする。議事録の型(決定・検討中・宿題)と判定の基準を業務マニュアルに落とす。以後は例外判断のたびに追記されて厚くなる
第三工程残る ? の確定会議音声の取得範囲、承認者・役割の指名を確定し、対象業務を広げる

6-3. この章の読み方

足りない項目が並びますが、いずれも第一工程(10章)の中で当社が主導して埋める種類の作業で、御社の業務を止めるものはありません。埋める作業の中身と順序は、業務の実物を拝見しないと確定できないため、診断セッションの議題とします。

主要なシステムがMicrosoft 365・kintone・SharePoint・freee会計と、いずれも公式APIの整ったもので揃っていることは、この規模の会社では恵まれた条件です。整備の中心は、口頭と紙で届く仕事のデータ化、決定と最新版の正の明文化、そして人と案件の名寄せの3つに絞られます。

導入で整理する、御社の業務の意味の地図

会社固有の情報の整理が済むと、御社の業務はこの形で扱えるようになります。 下段の散らばった原本を会社固有の読み替えでつなぎ、中段で業務の実体とその関係を共通のかたちに揃え、 上段のAI社員に任せる仕事につなぎます。上段の仕事を選ぶと、その仕事が使う実体・元データ・読み替えが光ります。

株式会社まつかぜ企画(架空)

本社と2営業所の80名体制で、会議での決定と各所から届く依頼をもとに案件を進め、資料と手順を積み上げていく会社です。

ドラッグで回転、ホイール・ピンチで拡大縮小。上段の仕事か中段の円筒を選ぶと、使う実体・元データ・読み替えが光ります

元データ(緑) 会社の読み替え(琥珀) システムに記録済みのつながり 導入で整理して作るつながり 合っているか照合するつながり

7. To-Be: 会議・決定事項ワークフロー(AI社員配属後)

配属後の姿は、御社固有の情報(人と取引先の呼び名の対応、案件と議事録と課題の紐付け、決定と検討中の線引き、資料の正の版)を整理したうえに成り立ちます。この章の直前に差し込んだ立体の地図は、その整理の成果物の姿です。下段が情報の置き場所(接続に導入時の確認が要るものは接続候補と表示)、中段が御社の業務で共通に扱う実体とその関係、上段がAI社員に任せる仕事です。上段の仕事を選ぶとその仕事が使う実体・元データ・読み替えが光り、実体を選ぶと判断材料がどこから来てどの仕事につながるかをたどれます。実体をつなぐ線は、システムに記録済みのつながり、導入で整理して作るつながり、合っているかを照合するつながりの3種に分かれます。

そのうえで、2章で挙げた人手の支えを、それぞれどこでAI社員が引き継ぐかを対応づけます。

2章で挙げた箇所配属後
会議で決まったことを記録に残すこと会議記録担当AIが議事録の下書きを作り、決定を記録として残す(この章)
決定と検討中の区別判定の基準を辞書と業務マニュアルに置き、AIが欄を分けて書く(この章)
宿題のBacklogへの起票AIが担当と期限つきの起票案を作り、人が確認して起票(この章)
会議前の前回決定と関連資料の収集AIが前回の決定・未了の宿題・関連資料を会議前にまとめて提示(この章)
4経路の依頼の巡回依頼受付担当AIが4経路を集約し、一覧で提示(8章)
資料の最新版の判断正の定義に沿ってAIが最新版を提示し、古い版には注記を付ける(8章)
人・取引先の特定名寄せ辞書を参照してAIが特定する(8章)
過去の類似回答の探索AIが過去の議事録・メール・資料を横断して候補を提示(8章)
手順書に載っていない業務の補い例外判断の追記でNotionの手順書が埋まっていく(この章・8章の追記運用)
旧資料の探索(SharePointとファイルサーバの二か所)AIが両方を横断検索し、正の側を先に示す(8章)
案件・課題・議事録の対応づけkintoneの案件番号を軸にAIが紐付けを保持(8章)
営業所からのFAXの読み取りFAXのPDF化のうえ、依頼受付担当AIが読み取って一覧に載せる(8章)
月次の経費・請求の突合案件実績とfreee会計の照合を第三工程で扱う(10章)
勤怠の締めの声かけKING OF TIMEの打刻漏れの検知を第三工程で扱う(10章)

7-1. 配属案

業務現状の担当配属後の担当人の役割
会議の記録・議事録の作成管理部総務1名(案件打ち合わせは参加者)会議記録担当AI内容の確認と承認、認識違いの訂正
決定と検討中の切り分け書き手の判断判定基準を参照して会議記録担当AIが欄を分ける基準の承認、判断に迷う項目の決定
宿題の担当・期限の起票担当者本人AIが起票案を作成し、Backlogへ登録起票内容の確認、期限の調整
会議前の資料と決定の収集主催者・総務AIが会議前にまとめて提示追加で見たい論点の指示
過去の決定の経緯の説明総務1名の記憶AIが議事録・メールを横断して該当箇所を提示提示内容をもとにした説明・判断

7-2. 会議記録担当AIの職務定義

項目内容
職務会議のメモ・文字起こしからの議事録の下書き、決定と検討中と宿題の切り分け、宿題のBacklog起票案の作成、会議前の前回決定と関連資料のまとめ
接続先Teams(会議・チャット)、Outlook、Notion、Backlog、kintone、SharePoint、社内ファイルサーバ
単独で実行できる操作議事録の下書きの作成、決定・宿題の候補一覧の提示、関連資料の収集、過去の決定の検索
人の承認が必要な操作Notionへの議事録の確定、Backlogへの起票、決定として扱うかの最終判断、社外に出る文面
勤務形態会議終了後に下書きを作成。会議の前日夕方に前回決定と関連資料をまとめて提示

7-3. 配属後の会議記録フロー

flowchart TD
  mae["会議の前日"] --> junbi["会議記録担当AIが前回の決定・<br>未了の宿題・関連資料をまとめる"]
  junbi --> teams1["Teamsに提示"]
  kaigi["会議"] --> motozuki["メモ・文字起こしを取得"]
  motozuki --> ai["会議記録担当AIが下書きを作成"]
  ai --> wake["決定 / 検討中 / 宿題に切り分け"]
  wake -->|"基準で判定できる"| soan["議事録の下書き+宿題の起票案"]
  soan --> kakunin["主催者・総務が確認"]
  kakunin --> notion["Notionへ確定・版を記録"]
  kakunin --> backlog["Backlogへ起票(担当・期限つき)"]
  wake -->|"判定できない<br>(決定か保留か曖昧・担当未定・期限未定)"| reigai["例外としてTeamsで照会<br>(論点を整理して提示)"]
  reigai --> handan["主催者が判断"]
  handan --> tsuiki["判断結果を業務マニュアルと<br>判定基準に追記(版管理)"]
  tsuiki -.->|"以後、同型の議題はAIが切り分け"| ai

決定か検討中かの判断に確信が持てない項目は、決定として書き切らず例外として人に回します。切り分けの精度を約束する方式ではなく、確信の持てないものを人に回す設計で、記録の誤りを防ぎます。会議の音声を取得していない会議は、当面は参加者のメモを入力として受け取る形から始めます。

7-4. 配属後の会議の1サイクル

場面工程担当
会議の前日前回の決定・未了の宿題・関連資料がTeamsに届く会議記録担当AI
会議中議論に集中。記録の担当を決める必要がない参加者
会議直後議事録の下書きと宿題の起票案が届く会議記録担当AI
会議当日中下書きの確認と承認、曖昧な項目の判断主催者・総務
承認後Notionへの確定とBacklogへの起票が完了会議記録担当AI
随時判断結果を判定基準とマニュアルに反映主催者・会議記録担当AI
次回会議前前回の決定が記録から参照できる状態参加者

例外の比率は導入初期が最も高く、判断のたびに判定基準とマニュアルへ追記されるため、運用とともに下がる構造です。

8. To-Be: 依頼受付・情報探索ワークフロー(AI社員配属後)

8-1. 依頼受付担当AIの職務定義

項目内容
職務メール・Teams・FAX(PDF)・電話メモの4経路の依頼の集約、案件と担当者の特定、Backlog起票案の作成、過去の類似回答と最新版資料の提示
接続先Outlook、Teams、FAX受信、kintone、Backlog、Notion、SharePoint、社内ファイルサーバ
単独で実行できる操作依頼の集約と一覧化、名寄せ辞書による人・取引先の特定、過去回答の候補提示、最新版資料の提示、未着手依頼の検知
人の承認が必要な操作Backlogへの起票、社外へ送る回答文の送信、案件情報の更新
勤務形態毎朝の定時実行で夜間着分を一括処理。日中は着信の都度処理

8-2. 配属後の1日

場面工程担当
始業前夜間着分(メール・DM・FAX)の集約と分類が完了依頼受付担当AI
始業時未処理の依頼一覧が、案件・担当者・依頼元つきでTeamsに届く依頼受付担当AI→各担当者
始業時拾い漏れの確認作業をせず、一覧の判断から業務を開始各担当者
随時着信の都度、依頼が一覧に追加される依頼受付担当AI
随時過去の類似回答と最新版資料の候補が、依頼に添えて提示される依頼受付担当AI
随時回答の確認と送信、起票の承認各担当者
夕方未着手のまま残っている依頼と、期限が近い課題の報告依頼受付担当AI

電話での依頼は当面は人が受け、内容のメモをAIへの依頼に置き換えるところから始めます。営業所からのFAXは、複合機のPDF転送を設定した時点で一覧に載ります。

8-3. 変化の見立て(推定)

項目現状配属後
依頼の拾い上げ4経路を各担当者が巡回して確認一覧に集約され、巡回が不要になる
宿題・依頼の起票口頭のまま流れる分がある起票案が自動で用意され、承認で登録される
議事録の作成総務1名が会議後に書き起こす下書きが会議直後に出ており、確認と承認が仕事になる
過去の決定・回答の探索メールを遡って探す横断検索で候補が提示される
資料の最新版SharePointとメール添付を見比べる正の定義に沿って最新版が示される
総務担当者の不在時決定がどこにも残らない記録は残り、承認だけが後日に回る
会議前の準備直前に資料と決定を集める前日に届いている

実数の測定は、試用期間中に御社の会議と依頼の実物で行います(付録B)。

9. システム構成(To-Be)

flowchart TD
  m365["Microsoft 365<br>(Teams・Outlook)"] --> madoguchi
  kintone["kintone"] --> madoguchi
  backlog["Backlog"] --> madoguchi
  notion["Notion"] --> madoguchi
  sp["SharePoint"] --> madoguchi
  nas["社内ファイルサーバ"] --> madoguchi
  faxin["FAX受信(PDF)"] --> madoguchi
  freee["freee会計 / KING OF TIME<br>(第三工程)"] --> madoguchi
  madoguchi["各システムとAIの間の窓口(システムごとに設置)<br>・アクセスできる範囲の制御(権限)<br>・全操作の記録(監査ログ)<br>・意味辞書(人と取引先の名寄せ、案件の紐付け、<br>決定と検討中の判定基準、正となる資料の定義)"]
  madoguchi --> kaigiAI["会議記録担当AI"]
  madoguchi --> ukeAI["依頼受付担当AI"]
  kaigiAI -->|"報告・例外照会・承認依頼"| teams["Teams"]
  ukeAI -->|"報告・例外照会・承認依頼"| teams
  teams <-->|"判断・承認"| hito["各部署の担当者・管理部総務"]

意味辞書に登録する内容の一覧は、付録A-2にまとめています。

10. 導入ステップ

第一工程の内容は、6章で足りないとした項目にそのまま対応します。

工程内容この時点で使える状態
第一工程窓口の接続(Microsoft 365・kintone・Notion・Backlog・SharePoint・ファイルサーバ・FAX受信)と意味辞書の初期整備散らばった社内情報を、人と案件の名寄せを踏まえて横断検索できる
第二工程会議記録担当AIの配属。部署別の週次定例に絞って開始議事録の下書きと宿題の起票案が出て、決定が記録に残る
第三工程依頼受付担当AIの配属、対象業務の拡大(案件実績とfreee会計の照合、KING OF TIMEの打刻漏れ検知)依頼の集約と過去回答の再利用、月次の照合の日次化

導入後に社内に残るものは次の3点で、いずれもファイルの形を持ちます。

  1. 業務マニュアル。議事録の型、決定と検討中の判定基準、例外対応の追記を含む、版管理された手順書
  2. 意味辞書。人と取引先の名寄せ、案件の紐付け、正となる資料の定義といった、データの読み方の登録集
  3. 監査ログ。AIがいつ何を参照しどの操作をしたかの全記録

利用をやめた場合も、この3点は読める形式のファイルとして手元に残ります。

他の手段との比較

外注(BPO)会議の自動文字起こしツールCopilotAI社員
例外が起きたとき委託先が対応する文字起こしのまま残り、人が整理する人が操作して対処する人が判断し、判断結果が手順に追記される
ノウハウの残り先委託先の会社蓄積されない使った個人自社の業務マニュアルと意味辞書
記録委託先の管理に依存発言の記録のみ残らない全操作の監査ログ
やめたときノウハウごと失われる文字起こしだけが残るマニュアル・辞書・ログがファイルで残る

導入後も続く運用

業務は変わり続けます。新しい取引先、会議体の組み替え、使用システムの入れ替え。月額利用の中では、例外判断のマニュアル・辞書への反映、接続先の変化への追従、任せる業務の拡張が続きます。AI社員の仕事の範囲は、配属時の定義から運用の中で広がっていきます。

実装項目の一覧は付録A、試用期間の検証計画は付録Bにまとめています。

11. セキュリティ設計

11-1. データの経路と実行の条件

データ通る経路通らない経路
会議のメモ・文字起こし窓口を経由して会議記録担当AIが参照外部AIモデルの学習には使用しない
メール・Teamsの依頼窓口を経由して依頼受付担当AIが参照権限のない参加者がいる場では表示しない
案件情報・契約書・仕様書権限のある範囲でのみ参照参照範囲外のフォルダには接続しない
AIモデルの利用処理に必要な範囲のデータを推論時にAIモデルへ渡す学習・保存には使われない設定で利用。要件に応じてプライベート環境にも対応
実行記録監査ログとして自社環境に保存社外に送信しない

11-2. 導入時によく確認される事項

確認事項回答
データの保存先と環境分離1社1環境で提供。保存先と取り扱いは導入時に書面で明示。詳細資料は診断セッションで提供
会議の記録に関する社内合意対象とする会議体、参加者への周知、除外する会議の指定を導入前に取り決めます
既存のCopilot等との関係併存。個人の文書作成はそれらのツール、担当業務の遂行はAI社員と役割が分かれる
例外の多い業務への適用頻出の例外はマニュアルに載せ、一点物の判断は人に残す。載る範囲と載らない範囲の線引きを導入前に文書で提示
解約時のデータ業務マニュアル・意味辞書・監査ログは読める形式のファイルとして残る
診断セッションの参加者技術担当が同席。希望に応じてNDA締結後に実施。議題は事前に固定

12. 提供体制

場面当社が行うこと御社にお願いすること
導入(第一工程)窓口の接続、意味辞書の初期整備、業務の聞き取りと会議の観察業務知見の提供(ヒアリング対応)、正とする資料とルールの判断
導入(第二工程)AI社員の設定、議事録の型と判定基準の初稿作成、試用期間の運営例外の判断、議事録とマニュアル内容の承認
運用開始後定例の振り返り、例外傾向の分析、任せる業務の拡張提案、接続先の変化への追従判断と承認の継続

導入から運用まで、技術担当と導入支援担当が付きます。問い合わせは担当窓口に一本化します。

13. 御社版の作成にあたって

本書は架空企業のサンプルです。2〜6章のAs-Isはシステム構成からの推定であり、御社の実際の業務・会議体・例外ルールを反映していません。

御社版の作成は、短時間の診断セッションから始めます。セッションでは次の3点を持ち帰っていただけます。

  1. 2章の一覧を御社の実際に合わせて確定した、人手が支えている箇所の一覧表
  2. お使いのシステム(Microsoft 365・kintone・Notion・Backlog・SharePoint・freee会計・KING OF TIME)のプランと契約に応じた、接続方式と可否の回答
  3. どの会議体・どの依頼経路から、どんな体制で始められるかの初期見立て

セッションは技術担当が同席し、ご希望に応じてNDA締結後に実施します。議題は事前にお送りする内容に固定します。お申し込みは、ブースの担当者にお声がけください。

(セッションを予約されない場合、こちらからの営業連絡は行いません。)

付録A. 実装項目

実装の中心は、各システムとAIの間の窓口(標準規格MCPによる接続)の構築と、業務ナレッジ(意味辞書・業務マニュアル)の整備の2つです。項目をID付きで整理します。

A-1. 窓口の接続

ID接続先実装内容読み書きの範囲工程
M-01Outlook(メール)依頼メールと添付の取得、過去のやりとりの検索読み取りのみ(送信は承認付き)第一
M-02Teams会議情報・チャットの取得、報告・例外照会・承認依頼の送受信送受信第一
M-03SharePoint資料の検索参照と版情報の取得読み取りのみ第一
M-04社内ファイルサーバ旧資料・過去帳票の検索参照読み取りのみ第一
M-05kintone案件情報の参照、案件と依頼の紐付け参照+更新は承認付き第一
M-06Notion議事録・手順書の検索参照と、議事録の作成参照+作成は承認付き第一〜第二
M-07Backlog課題の参照と起票。接続方式は契約形態により異なる参照+起票は承認付き第一〜第二
M-08FAX受信複合機からのPDF転送を受けて依頼書を取り込む読み取りのみ第一
M-09freee会計経費・請求の計上内容の参照読み取りのみ第三
M-10KING OF TIME打刻・勤怠情報の参照読み取りのみ第三

すべての窓口に、アクセス範囲の制御と全操作の記録が標準で備わります。既製の接続部品がある接続先はそれを使い、ない接続先は個別に開発して納品します。

A-2. 意味辞書の整備

ID辞書内容整備の方法
D-01人・取引先の名寄せメールの表示名・Teamsの名前・社内の呼び名・取引先の部署名と、正式名称の対応Microsoft 365のユーザー情報とkintoneの取引先情報の突き合わせ、担当者へのヒアリング
D-02案件の紐付けkintoneの案件番号を軸とした、Backlogの課題・Notionの議事録・SharePointのフォルダの対応既存データからの抽出と、案件担当者への確認
D-03決定と検討中の判定基準決定・検討中・宿題として扱う言い回しと条件、宿題に担当と期限を求める基準過去の議事録の読み取りと、主催者・総務へのヒアリング
D-04正となる資料の定義どの資料をSharePointの版で正とするか、旧ファイルサーバの扱い、メール添付の位置づけ管理部・案件担当者へのヒアリング
D-05過去回答の分類問い合わせの型と、参照すべき過去回答・手順書の対応Outlookの履歴とNotionの手順書からの抽出

A-3. 業務マニュアルの整備

IDマニュアル内容
K-01会議記録会議前の準備から議事録の確定までの手順と、AIが単独で進めてよい条件
K-02宿題・依頼の起票担当と期限の決め方、Backlogへの起票の型、起票の承認者
K-03依頼受付4経路の集約から着手までの手順と、過去回答の再利用の判断
K-04例外対応例外の型(決定か保留か曖昧・担当未定・依頼元不明・最新版が判別できない)ごとの報告先と判断の記録方法
K-05追記の運用例外判断の結果をマニュアル・辞書へ反映する手順と版管理

A-4. AI社員の設定

ID項目内容
A-01会議記録担当AIの定義職務・接続先・権限・勤務形態(会議終了後の実行+会議前日の準備)
A-02依頼受付担当AIの定義職務・接続先・権限・勤務形態(毎朝の定時実行+着信の都度)
A-03承認フロー議事録の確定、Backlogへの起票、社外に出る文面をTeams上で承認する経路の設定
A-04対象会議体の設定AIが記録する会議と、対象から外す会議の指定

A-5. 開始前に一緒に確認する事項

いずれも第一工程の中で当社が主導して進めます。御社に単独でお願いする作業はありません。

ID項目内容
C-01FAXのデータ化営業所側の複合機のPDFメール転送設定、またはクラウドFAXの導入
C-02Notion・Backlogの接続確認プラン・契約形態をお知らせいただければ、接続方式と可否を当社から提示します
C-03電話依頼の扱い当面は人が受けて内容のメモをAIに渡す運用とし、入口の寄せ方を診断セッションで相談
C-04資料の正の決定と参照範囲の整理SharePointと社内ファイルサーバの使い分けの明文化、AIに参照させる範囲の確定と不要な共有の棚卸し
C-05会議記録の取得方法Teams会議の録音・文字起こしの可否、対象会議体の範囲、参加者への周知の進め方
C-06アカウントの発行AI社員用のアカウントとTeamsのチャネルの用意
C-07役割の任命教育係、例外の判断者、議事録と意味辞書の内容を承認する担当の指名

A-6. 非機能要件

環境の独立と監査ログの扱いは11章のとおりです(保持期間は導入時に取り決めます)。

項目内容
稼働時間帯定時実行(朝・夕・会議終了後)と着信の都度処理。時間帯は設定で変更できる
停止時の業務継続窓口が停止した場合は従来の手作業手順に戻れる。業務データは既存システム側にあり失われない
追跡議事録・依頼1件ごとに、参照・作成・承認の履歴を遡って確認できる

付録B. 試用期間(PoC)の検証計画

導入は試用期間として小さく始め、開始前に合意した水準で本番化を判定します。

B-1. 試用期間の範囲

項目内容
対象業務部署別の週次定例の議事録と宿題の起票のみ。依頼受付担当AIは会議記録の本番化後に着手
対象会議体週次定例2〜3本から開始し、案件打ち合わせへ順次拡大
期間対象会議体が数サイクル回る範囲(開始時に回数で合意)
運用形態並走運用。AIの下書きを人が確認してから確定し、精度を見ながら確認の範囲を段階的に狭める
体制教育係1名、例外の判断者1名(兼任可)、会議ごとの振り返り

B-2. 検証項目と指標

本番化の水準は試用期間の開始前に合意し、文書に残します。表の水準は例です。

検証項目指標測定方法本番化の水準(例)
決定の切り分け決定・検討中・宿題の切り分けが人の訂正なしで通った項目の割合承認時の訂正記録の集計対象会議体で8割以上
宿題の起票会議で出た宿題のうち、担当と期限つきで起票された割合議事録と Backlog の突合ほぼ全件
記録の正確さ確定後に訂正が入った議事録の割合Notionの版履歴継続的に数%未満
例外の収束例外として人に回った項目の推移例外報告の件数集計回を追って低下
資産の蓄積マニュアル・辞書への追記件数と版の更新版管理の履歴追記が継続している
探索の効き過去の決定・回答を検索で見つけられた割合検索依頼と結果の記録総務の手作業での遡りが減少
統制承認の通過漏れと、監査ログでの追跡可否ログの抽出検査漏れゼロ、全件追跡可